2011年11月20日日曜日

一部を切り出してみる

ブラジリアンキック。膝を前蹴りの要領でまっすぐ上げ、
腰の回転を使い、膝から先を回して蹴り込む技。

少林寺拳法の基本の回し蹴りは、このブラジリアンキックと同じです。足の軌跡は、途中まで前蹴りと同じ。
いわゆる回し蹴りに比べて、スピードや破壊力は劣ります(・・・のですが、この少年はすごい。ビシビシ効く蹴りですね)。
この蹴り方のメリットは、
・途中まで前蹴りと区別がつきません。蹴られる方は、たぶんびっくりすると思います。
・蹴り足のひざで金的ガードが出来ます。
・体勢が崩れないので、すぐに次の技に移行出来ます。
ちなみに少林寺拳法では、足の甲ではなくて爪先を相手に当てます。
先輩から、ピンポイントで急所を狙うため、と説明を受けましたが、元々の中国拳法が、靴を履いた状態で戦う前提だったからでは、と、僕は思います。


回し蹴り。少林寺拳法では「振り蹴り」と呼び、明確に区別をします。

回し蹴りとは別技で、振り蹴りという蹴り方があります。いわゆる「回し蹴り」と同じです。
軸足の返し、腰の開き、蹴り足の返し、全身を使って横から蹴り込みます。
特徴は、
・一撃必殺のパワーが出ます。
・急所が空きますので、ここ一番の使い時を見極めて放たないといけません。
(腕の振りで反動をつける人がよくいますが、個人的にはそれは違うと思います。
蹴りのパワーのベクトルを打ち消しているように思えますので)。

振り蹴りと回し蹴り、どちらが良いということはありません。時と場合で優劣は変わります。

最近、少林寺でも剛法(突き蹴り)技だけを取り出して乱捕りを行い、他人と技を競いたがる人達が増えてきました。
気持ちは分かりますし、その方が剛法のレベルは上がると思います。
しかしおそらくそのやり方では、「振り蹴り」が「回し蹴り」となり、少林寺本来の「回し蹴り」は失伝してしまう気がします。
半可通な知識と乏しい経験で「進化」を唱えるのは同意しづらいです。
創始者の深い意図を汲取り、一部の技だけでなく、体系として捉える、俯瞰の出来る視点を持たないと、柔道や剣道のようになってしまう気がします。

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